コロナ感染の勢いは衰えることを知らず、ブルガリアの学校では現在学年によって対面授業とオンライン授業に分かれている。基本的に1~4年生の低学年は対面授業となっているが、オンラインを希望する家庭は、学校に申請した上でオンラインでの参加が許可されている。息子のクラスでは約3分の1の児童がオンラインでの参加である。
通学する学生達には、週に1回のコロナの簡易検査が行われ、その検査をするのは担任の先生で、先生たちも疲弊しているようだ。とにかく、コロナの新規感染者数は増え続けており、その抑制目的と先生たちも疲労困憊している現状を鑑みた結果らしいが、通常は1~2日ぐらいの学期間休みが、この度は週末を合わせて10日間となった。
というわけで昨日、お天気もいいし、久しぶりにリラの修道院へ行くことにした。
世界遺産であるリラ修道院までは、ソフィアから南へ向かって車で約1時間半から2時間弱。最近はギリシャ方向へと南下する高速道路が拡張されたため、これを使うと所要時間がずいぶん短縮された!
高速道路を降りてリラ山へ向けて車を走らせる。山の麓のリラ村を走っていると、まだ独身だった当時、交換留学でブルガリアに来ていたはるちゃんと、日本から遊びに来てくれた友人と3人でリラ僧院を訪れたときに泊まったホテルが悲しいことに取り壊されていたのを発見。それとも修理だったのかな。とにかくその頃はおんぼろバスを乗り継いで、ここまで観光に来たっけか。




リラ村を抜けてから、だんだん山深くなってくる道を20分ぐらい走ると、そこは静寂な空気の流れるリラ修道院。静寂なはずの修道院はしかし、人々に人気のある場所で世界遺産でもあるので、いつも観光客でワイワイとにぎわっている。が、しかし!!今日は車が驚くほど少ないではないかいな!!駐車場にはバスもない。何なんだこれは、これはもしかしたら、我々は超ラッキーなのではないか?!










10世紀、イヴァン・リルスキによって創設されたと言われるリラ修道院は、ブルガリア正教会の総本山であり、500年にわたりオスマン帝国の支配を受けたブルガリアの歴史において、この場所はいつの時代もブルガリア人の文化的・民族的アイデンティティのよりどころとなっていたそうである。
この深い山奥にまでオスマンは攻めてきたのだなあ。。。そんな中でこのブルガリア正教会、それだけではなくブルガリア人のアイデンティティを死守し続けた代々の僧侶達のことに思いをはせると、いつも感慨深いものがある。




教会の中に入っても、やっぱり誰も他に人はいない!信じられな~い!
くまなく敷地内を散歩して、さあその後はお楽しみのメキツィ(ブルガリアの揚げパン)だい!
リラ修道院の裏門を出るとそこはお土産屋さんやレストランがあり、その中にこの美味しいメキツィ屋さんがあるのダ。リラ修道院と言えばこのメキツィ。メキツィと言えばリラのメキツィ。なんと罰当たりな。
私達(今回は義理の両親も一緒)5人は、「さっ、じゃあ恒例のメキツィといきましょうか♪」と言わんがばかりにそそくさと裏門を出た。が、何やら様子が違う。戸が閉まっている。おかしい。この中で誰よりもメキツィ好きなお父さんは、心の動揺を表すかのような速足で、店の様子を見に行った。不安にかられ、お父さんの「お!開いてるぞ!」の言葉を固唾をのみながら待つ私達に、衝撃の事実が明かされた。ホンジツキュウギョウ(゚∀゚) がっちょーん。
息子はまだしも、大の大人が4人、そのショックを隠すことが出来ず「でもメキツィのにおいはするけどな」「どっか違うところで揚げてるんかいな」等々未練たらしく口走り始める有様である。


こうなっては仕方ない。プランBへと進むのみである。そう、それはシケンベチョルバ(ブルガリア名物のもつスープ)。リラ修道院と言えば、このレストランのシケンベチョルバだもんね。メキツィはあきらめて、シケンチョルバとキュフテにするとしよう。イェーイ、私ら負けないもんね。
人も見当たらずドアは閉まっており、いささか不安はよぎるけれど、ドアには「OPEN」と看板がかけられている。「よっしゃ!今日はシケンベっていうことか!」とメキツィは忘れ、意気揚々とドアを開けようとしたお父さんの表情が再び固まった。コロナのため通常は外食をしたがらないお母さんまでもが、今日は特別に心がメキツィを、そしてシケンベを求めていたにも関わらず、残念極まりない結果となった。ホンジツキュウギョウ(゚∀゚) がっちょーん。

しばしレストラン前のベンチに座っていたネコちゃんとたわむれた後、我ら5人は気を取り直して、せっかくなので空気の美味しい山道を散歩することにした。



メキツィもシケンベチョルバもなかったけれど、こんな誰もいないリラ修道院をゆっくり散策できて、美味しい空気に心も体もリフレッシュされてすがすがしい気持ちと感謝の気持ちでソフィアへ向けて帰ってきたのでした。さ、明日からまたがんばろっと。
Lovely photos
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Thank you!!
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素敵な修道院ですね~。
ちょっとオスマントルコっぽい?って思いましたが、ここはオスマントルコとは関係ないんですね!!
オスマン帝国外伝を見てましたが(ドラマなんでアレですが…(^-^;)、周辺国は大変だったんでしょうね。。。
それにしても、宿泊できるなんて素敵(≧▽≦)
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このリラ僧院の建築デザインは、ブルガリアの他の修道院などではあまり見られないものです。なかなかの圧巻ですよ(^O^)
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行ってみたいです!!
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