一昨日はいい知らせが2つあった。
1つは、日本の友人のご主人がもうすぐ退院できるとの知らせ。そしてもう1つは、知り合いの10代の女の子アリちゃんの手術が大成功で、無事彼女が退院したという知らせだった。
アリちゃんは、とても頭の良い勉強熱心な綺麗な女の子。合気道と漢字と読書と歴史が好きで、遺跡の発掘キャンプに行くような知的な女の子である。ベルセルクが大好きで、平沢進の話で盛り上がることもある。
そんなアリちゃんから、緊急で手術を受けることになったと連絡があったのは11月14日のことだった。脳に腫瘍が見つかったというのだ。最近頭痛に悩まされていたようで、検査をしたらしい。多くの病院が現在コロナ病棟になってしまっており、基本的に計画手術は延期となっているにも関わらず、手術は1週間後の22日に行われるとのことだった。
私に出来ることは祈ることの他何もない。それでもどうにかしてアリちゃんを励ましたかった。
そして思いついたのが千羽鶴だった。
千羽鶴を思いついて作業を始めたのは水曜日のことで、手術までに間に合わせるとしたら最長4日しかない。遅くとも日曜日にはアリちゃんのお母さんに渡さなければならない。
考えてみれば、今まで千羽鶴というものを作ったことがなかった。多分あっただろうが、それは友達の知り合いへの鶴のお手伝いで何羽かを折っただけのことである。この度初めて、千羽鶴に向き合うことが出来た。そして、千羽鶴の意味が少しだけ分かったような気がする。一羽一羽に、思いを込めて鶴を折る。絶対に手術大成功で、元気に回復してくれるように祈りを折り込んで鶴を折る。
タイムリミットがやってきて、土曜日に出来上がったのは千羽鶴ならぬ300羽鶴。数は足りないが、祈りと思いだけはたくさん詰まった鶴が出来た。手術の前日にお母さんに手渡し、そのあとアリちゃんから長文のメッセージが来た。健気な決意に、涙が出た。
手術の翌々日、アリちゃんのお母さんから連絡をもらい、手術は大成功だったとのこと。ああ、良かった!アリちゃんは「絶対に乗り越えてみせる!」と心強く回復への一歩を踏み出したようだ。
そして一昨日、もう退院して今は家で療養しているとの連絡を受けた。良かった!本当に良かった!!アリちゃん、また色んな話が出来るのを心から楽しみにしているよ。