偉大なるお豆スミリャンスキボブ

丹波の黒豆と大豆以外のお豆には元来あまり興味のない私が、スミリャンスキボブと呼ばれる偉大なお豆に出会ったのは、今からおよそ4年ほど前のこと。ブルガリアヨーグルトのCMに出てきそうな、ある意味で典型的なブルガリアの牧歌的風景が見られるスモーリャンという地方に小旅行に行った時のことだった。

一緒に行ったダンナのお父さんとお母さんが、ホテルの夕食で迷わずスミリャンスキボブとやらを注文した。ホテルでわざわざお豆なんぞ注文せずとも他にいっぱい美味しそうなものがあるのに、と思ったのを覚えている。さて、そのスミリャンスキボブとやらが運ばれてきて二人は「ああ、やっぱり違うなあ、うん、これは絶品」みたいなことを話しながらお豆を半ばうなりながら食べている。味見をしたダンナもうなっている。これは私も味見をせねばならない。
これが私とスミリャンスキボブとの初の出会いであった。

スミリャンスキボブというのは、このスモーリャン地方のスミリャンと呼ばれる村と、その周辺のいくつかの村でしか採れないお豆である。この周辺で織りなされる気候条件が、このお豆を特別なものにしているらしい。
何がそれほど特別かというと、他のお豆にはない特有の、それはそれはまろやかな風味がある。あのホテルで初めてスミリャンスキボブを食べたときのあの衝撃。バターのまろやかな味がお豆からかもしだされている。私はてっきり、このお豆のスープにはバターが入れられていると思ったのだが、どうやらこれがこのお豆をスミリャンスキボブたらしめているのだそうな。
「え?っていうか、これ、バター入ってるよね?」と、アホみたいに何回も同じ質問を繰り返す私に、皆は「だから、お豆から出てるんや、その味は」とアホを諭すように繰り返した。それくらい、濃厚なバターの味がするのである。この料理にバターが入ってないなどあり得るだろうか?

以来私は偉大なるスミリャンスキボブの大ファンとなり、せっせとお豆も料理するように成長したのだった。それまでの私と言えば、お豆はお母さんが時々作っておすそ分けしてくれるし~それで十分~!という態度を崩さず(自分があまり好きではないため)特に作り方を習ったりという感じではなかった。ところがスミリャンスキボブに魅入られてからというもの、定期的にお豆を料理するようになったのダ。

面白いのはこのお豆、ある一定のところまで煮なければ、あのバターの味が出てこないことである。大きさが普通のお豆の倍以上あるため、柔らかくなるまで結構な時間がかかる。やっと柔らかくなって、やれやれこれで出来上がりかな?と思いきや、味見をしてみるとあのバターの味がしないこともよくあること。そういう時は、今しばらく鍋を火にかけコトコト煮る。そしてバターの味が出てくるのを待つのである。

今日も、何回も味見をしてはバターの登場を確認をした。やっとバター味の存在が確認できて、「よし来たか」と、ようやく私はコンロの火を消したのだった。

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